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AIへの向き合い方は、二極化する。NTTドコモが見極める新卒エンジニアの「AI協働力」

! 課題
  • 従来のES・コーディング試験では、候補者が「どういう考え・判断で進めたか」は直接見えず、記載内容や質疑、最終的な成果物から推し量るしかなかった
  • 以前のコーディング試験では、AIをどう活用しているかまでは見えなかった
  • コーディング試験結果の解釈は経験が要り、専門でない採用担当には精度の高い判断が難しかった
✓ 導入効果
  • エージェンティックAIとの対話を通じて、候補者の思考プロセス(問いの立て方・判断)が可視化
  • 結果を同じ判断軸で自動評価し、AI活用の履歴も追える。ドメイン知識のない採用担当でも判断が比較的容易に
  • 仮説検証力・意思決定力・周囲を巻き込む力を、実務を模した設定で見極められるように

「AIの台頭によって、エンジニアに求められるものも大きく変わってきていると思います」そう話すのは、株式会社NTTドコモの総務人事部で新卒エンジニア採用を担当する竹村 直也さんです。かつてはコーディングのスピードや質が重要な要素でした。AIを使った開発が前提になったいま、同社は採用で何を見極めようとしているのか——今年HireRooを導入したドコモの、導入初年度の現在地を竹村さんに伺いました。インタビューの様子は記事末尾の動画でもご覧いただけます。

ES・コーディング試験では「AIをどう使うか」までは見えなかった

「導入前もエントリーシート(ES)とコーディング試験は実施していましたが、そこから分かることには限界があった」と語るのは、株式会社NTTドコモ 総務人事部 新卒採用で、特にエンジニア採用を担当している竹村 直也さんです。

NTTドコモ様インタビュー記事写真01

「ESでは過去の行動や経験は見えるのですが、そこからどういう考えをして、どういう判断をしたのかまでは直接見えません。そのため、記載内容や面接での質疑を通じて、その人の思考や判断のプロセスを読み取ることが多いと思います。コーディング試験も同様で、エディタの中で何を考えながら実装しているかは見えないため、最終的な成果物や質疑を通じて思考プロセスを推し量っていました」

もう一つの課題が、AIの活用状況が見えないことでした。エージェンティックAIが標準になりつつあるなかで、以前のコーディング試験では、候補者がAIをどう使っているかまでは把握できません。竹村さんは「アフターAI時代に、どういう人材を採用していくかを再定義するなかで、エンジニアもAIを使った開発がベースになっている。AIをどう開発に使っているかが見えないのは、評価要素として不十分だと感じました」と、導入のきっかけを振り返ります。

その背景には、AIを個人のスキルではなく組織の力として捉える見方があります。

「個人でAIを使えているだけではなく、組織全体で使えている必要があると思っています。難しい技術としてのAIではなくて、みんなが使えるということが、まず重要です。そのうえで、おのおのの仮説検証力や意思決定力、周囲の人を巻き込んでいく力がベースにないと、AIを使える環境があっても意味がありません」

AIとの対話で思考プロセスが見え、専門でない採用担当でも判断できるようになった

HireRoo導入で見えるようになったのが、候補者の思考プロセスです。自然言語でAIと対話しながら進める形式のため、その人の考えが言語化され、やりとりの形で残ります。

「AIをどう使っているか、どういう問いを立てて、そのレスポンスをどう判断し、解釈して、次につなげていくか。そういう思考のプロセスが見えるようになりました。しかも自然言語で、ラリーの形で見えるんです」

実際に候補者の解き方を見ていくなかで見えてきたのは、進め方が大きく二つに分かれることでした。「アルゴリズムをこう考えて実装したい、という意図を持って入力していく方と、とりあえず問題をそのままインプットとして投げ込む方と、戦略が大きく二極化します。やはり前者のほうが回答までのステップが短く済み、質も高いように思います」

NTTドコモ様インタビュー記事写真02

もう一つ、採用担当者の負担という観点でも変化がありました。竹村さんは、コーディング試験の結果を解釈してエンジニアリングスキルを判断するには経験が要る、と話します。

「コーディング試験の結果をどう解釈するかは、スペシャリストでないとなかなか精度の高い判断が難しいものでした。HireRooは同じ判断軸で自動的に評価してくれて、そこにAIをどう活用したかも履歴で追える。サマリー的な結果とプロセスを同時に見られるので、コーディングに詳しくない採用担当でも比較的やりやすくなりました」

見極めたいのは仮説検証力と意思決定力。導入初年度で描く期待

「AI協働力」について、竹村さんは、単にAIを使えることではないと言います。

「単にAIを使っているだけではなく、自分の思考を基にした問いや、経験を基にAIのレスポンスをどう判断するか。この観点が足りないから新たにこういう観点で問いを立ててつなげていく、といったことが必要になります。AIとどう課題解決に向けて進め、成果を上げていくかだと思います」

NTTドコモ様インタビュー記事写真03

AI協働力が高い人には、批判的思考と問いの構想力があると竹村さんは見ています。AIの回答にはハルシネーション(正しくない情報)が含まれることもあり、それに対して自分の経験や仮説から再確認し、得たい情報を引き出していきます。そのうえで、AIを部下や同僚のように扱い、必要な情報をきちんとインプットして案件を進めていく——対AIでも対人でも共通する力だといいます。だからこそ、ドコモが見極めたいのは仮説検証力・仮説設定力・意思決定力であり、そこにAIを使って成果を上げていく力だと話します。

一方で竹村さんは、初年度導入であることにも率直でした。

「そういった期待はあるんですけど、因果関係までは、やっぱり初年度の導入ですし、採用した方がいかに活躍してきているかというのも、入社後さらに数年たってからになるので、今の段階ではなかなか申し上げにくいところが多いんです」

それでも、エージェンティックコーディングを土台にしたHireRooのテストは、コーディングを舞台にしながらも仮説を立てる力やAIとの進め方に通じるものがあり、見極めに役立つのではないかと期待を寄せます。学生にとってもAIを前提にしたテスト体験は新しく、ドコモがAI活用やエンジニアリングを重視しているというメッセージの発信にもなったと振り返ります。

株式会社NTTドコモがHireRoo導入で見えたことと今後の期待

  • 思考プロセスの可視化:AIとの対話を通じて、候補者の問いの立て方・判断・検証のプロセスが見えるように
  • 採用担当者の判断を支援:同じ判断軸での自動評価とAI活用履歴で、専門でない担当者でも判断しやすく
  • 求める力の明確化:仮説検証力・意思決定力・周囲を巻き込む力を、AI協働力として見極めることが可能に
  • 今後への期待:実務を模した設定で、配属後の振る舞いや考え方まで再現性高く見極めること(効果は初年度のため検証中)

「以前はいかにコーディングができるかが重要な要素でしたが、今後はAIを使ってどう仮説を立て、成果を最大化できるか。そこに評価の観点の重要度が高まっていると思います。AIと協働して成果を出せる力が高い方は、それぞれの業務でも高い成果を出していただけるんじゃないかなと思ってます」

株式会社NTTドコモ竹村さんにインタビューした動画

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